アフリカツメガエル(Xenopus laevis)の尾の形成について III : 尾部予定域細胞群から形成された尾片のチロキシンに対する応答
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概要
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アフリカツメガエルの初期神経褶期(stage15)から初期尾芽期(stage24)までの胚の後方部の肛門予定域を含む尾部予定域細胞群(外植体)の培養を行うと,外植体からは正常幼生と同様の形態の尾片が発生することを報告した。今回は尾部予定域細胞群の外植体を変態ホルモンであるチロキシン(T₄)で処理した場合,外植体由来の尾片は正常幼生の尾部と同様にチロキシンに応答して変態するか否かを検討した。10⁻⁷Mの濃度でチロキシンを含むSteinberg氏液でstage15, 20および24の胚から切り出した尾部予定域細胞群を5~7日間培養した。その結果外植体由来の尾片は培養当初は成長し,後に縮小,鰭の退化,中軸構造の変形などと変態の方向に進み,チロキシンに応答しうることが明らかとなった。When we cultured the cells of the presumptive tail region (explant) for stages15-24 embryos, they developed into the same shaped tail fragments as the tail region of the intact embryos. Therefore, we investigated whether or not the tail fragments derived from the presumptive tail region replied to thyroxine as do the cells of the tail region of the intact larva. The explants were treated with 10⁻⁷M thyroxine (T₄). The explants grew during the beginning of the culture, then showed degenerating fins and/or a decrease in length. Therefore, it was clarified that the cells of tail fragments were also able to reply to thyroxine as do the cells of the tail region of the intact larva.
- 大阪教育大学の論文
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