文学教材の<語り>の分析について
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概要
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文学教材の教材研究における 〈語り〉の重要性が増している。しかし,従来のナラトロジー導入には,〈語り〉が新しい一つの解釈装置として用いられているという欠点がみられる。ここでは,互いの読みの交流をはかるための共通認識を形成するという 〈語り〉分析の意義を確認しつつ,教材研究における 〈語り〉分析の簡略な方法の提案を行う。この方法は,次の三つの点の検討を骨子とする。①「語り手」は物語の局内にいるか。②「語り手」は人格性を持つか。③「語り手」は誰に寄り添っているか。具体的な教材として「ごんきつね」をとりあげ,〈語り〉分析によって,個々の読みの交流を図るための共通基盤を持つことが可能になることを例証するIn the study of stories as teaching materials, the analysis of narratives has been increasing in significance. There is a fault that they treat narrative as a new system of interpretation in introducing narratology. In this paper I discuss the significance that the analysis of narratives makes as a basis for exchanging interpretations and I propose a three point method for examining the effectiveness of narratives, as follows : ①Is the narrator internal or external ? ②Is the narrator's identity indicated in the text ? ③To whom is the narrator snuggled up ? I also illustrate the significance of the naraative by applying the method to the short story Gon-gitune by Niimi Nankiti.
- 上越教育大学の論文
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