中間言語語用論における母語転移研究 : 新しい研究課題へ
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概要
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1970年代後半、 第二言語習得における母語転移研究は新しい局面を迎え、それまでの母語転移の発生を確認することのみを目的とした研究(transfer study)に代わり、どのような条件の下で母語第二言語コンテクストへ転移しうるのかを探る研究(transferability study)に焦点が当てられるようになった。しかし、第二言語習得の一領域としての中間言語語用論では、90年代前半まで、母語転移があるのかどうか、あるとすれば何が転移されているのかという研究が大半を占め、母語転移の可能性を探る研究にはほとんど関心が寄せられてこなかった。本研究では、中間言語語用論における母語転移の研究を概観し、これを基に今後の研究課題について考察する。具体的には、母語転移の発生の有無に焦点を置いた研究を、社会語用的母語転移(sociopragmatic transfer)と語用言語的母語転移(programalinguistic transfer)の各視点から概観する。その後、語用論レベルでの母語転移の可能性を暑かった研究を紹介し、その調査研究方法等を考察する。最後に、これまでの研究を踏まえ、中間言語語用論の領域において今後必要と思われる研究課題を具体的に掲示する。
- 九州大学の論文
著者
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