構造的慣性か戦略的適応か (<特集>変化をとらえる)
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
組織の個休群生態学的研究の主要な主張として、「あらゆる組織は構造的慣性を備えており、現代社会における組織淘汰の過程では、高度の慣性を備えた組織のほうが生き残りやすい」という命題がある。この命題は、組織経営研究における戦略的適応の基本前提と対立する。われわれは、組織適応に対して構造的慣性と戦略的適応がもつ効果を明らかにすることによりこの対立に決着をつけるべく試みた。 われわれは神奈川県の313の電気機器工場組織を対象に生存時間分折を行った。その結果、業種変更戦略採用の有無などとくらべると、設立時の資本規模が組織の適応力を相対的に強く規定していることがわかった。この意味では、組織の適応に対して設立時の資本規模の慣性的な効果が働いているといえる。しかし、高度の慣性を備えて業種変更しない組織と、戦略的に業種を変更した組織との間に適応力の差は見出せなかった。
- 数理社会学会の論文
著者
関連論文
- 日本の地域通貨に関する実態調査結果の概略
- 日本のソフトウエア産業における競争と地域性--密度依存仮説の適用可能性をめぐって (特集 競争を捉えなおす)
- 環境変化と経営組織の構造変動 (環境変動と組織の自己革新)
- 日本の地域通貨に関する実態調査 結果の概略
- 組織のダイナミック・メンテナンスによる危機対応 : 進化過程としてのリスク管理 (ダイナミック・メンテナンスの観点での社会システムデザイン)
- ワーク・ライフ・バランス施策の制度化に関する考察
- ワーク・ライフ・バランスに関する聞き取り調査結果(社会学部設立40周年記念特集)
- ワーク・ライフ・バランスに関する聞き取り調査結果
- 「新しさの不利益」をめぐって--組織エコロジ-の部分的紹介
- 組織の生成期における安定化過程について
- 構造的慣性か戦略的適応か (変化をとらえる)
- 組織年令と安定性--工場組織の生命表分析
- 日置報告に対する討論
- 組織変動と環境変動
- 組織変動と環境変動 : 個体群生態学モデルの社会変動論への応用をめざして
- 組織変革と組織進化--組織分析における「時間」の位置づけ (特集 組織変革と組織進化)
- 企業家活動と組織環境--組織生態学の視角から (特集 制度と組織)
- 組織のエコロジカル・アプロ-チと変革過程 (組織変革のプロセス)
- 組織学習と組織生態学 (組織変革と組織学習)
- 組織の合理性とイノヴェ-ション--反合理主義的経営理論にむけられた3つの罠 (組織変動・情報化・自己組織性)
- 「組織理論のパラダイム--機能主義の分析枠組」G.バ-レル,G.モ-ガン著,鎌田伸一,金井一頼,野中郁次郎訳
- 組織社会学における官僚制論の変容と課題--制御の必要性と可能性をめぐって (現代社会論)
- コメント(1)(演繹的社会学の「復権」)