土壌環境に導入された微生物の生残性を規制する要因
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
Environmental release of beneficial microorganisms, including genetically engineered ones, is a matter of concern in the field of bioremediation and improvement of crop production. Factors affecting survival and death of the microorganisms introduced into the environment, such as soil ecosystem, must be clarified to obtain effectively and safely the expected function of the microorganisms. Generally, microorganisms introduced into soil environment docrease in number with time, the decrease is mainly caused by the predatory activity of soil protozoa. Indigenous soil microorganisms survive for a long period in the microhabitats where they are protected against the attack of grazing protozoa. The artificial microhabitats, such as Microporous Glass and bentonite, offer protective microhabitats for the bacterium and are useful to increase the survival of bacterial inocula into soil. The pre‐culture condition of bacterial inocula also affects their survival in soil. Starvatioh treatment of the bacterial cells prior to inoculation improves their survival. This information must be considered when utilizing beneficial microorganisms in soil environments.環境汚染物質の浄化や作物生産向上の目的で,有用微生物を自然環境に放出利用する試みが盛んになりつつある。その際に,目的とする機能を効果的,かつ安全に機能させるためには放出微生物の生残・死滅を規制する要因を明らかにしておく必要がある。一般に土壌に導入された微生物の菌数は時間の経過と共に減少する。これは主として土壌に生息する原生動物により接種菌体が捕食されることによる。土壌に元来存在する土着微生物は原生動物の捕食から逃れるための微視的生残部位(マイクロハビタット)を獲得しており,長期間の生残が可能である。多孔質ガラスやベントナイトなどの人工的なマクロハビタットを利用することにより接種菌の生残性を高めることが可能である。また,接種菌の前培養条件は土壌中での生残性に影響する。例えば接種前に飢餓処理された細胞は土壌中での生残性が高まる。これらの知見は土壌環境における微生物の有効利用に際して有益であろう。
- 三重大学の論文
著者
関連論文
- P-100 水田土壌からのN_2O還元脱窒菌の分離と機能解析(ポスター発表)
- P2-2 森林土壌からの鉄の溶出と移動に関する研究第3報 : 低分子有機酸によって土壌から溶出される鉄化合物の、移動に伴う化学形態やサイズの変化について(ポスター紹介,2.土壌有機・無機化学,2008年度愛知大会)
- シンポジウム Functional Single Cell分離が明かす水田土壌脱窒菌の機能と生態
- 熱測定法による食塩の防腐効果の定量的解析
- 5-2 森林土壌におけるアルミニウムの存在形態とその土壌酵素活性への影響(5. 土壌生化学, 2006年度秋田大会講演要旨)
- 19 Functional Single Cell分離法による水田土壌からのN_2O還元菌の分離(関東支部講演会,2008年度各支部会)
- 6-28 水田土壌からの脱窒菌の新規単離手法の開発 : 細胞伸長-マイクロマニピュレーション法(6.土壌生物,2007年度東京大会)
- 土壌環境で機能している微生物を探る(土壌環境での細菌の生き様を探る)
- 土地利用や堆肥・農薬投与, 芳香族化合物添加の有無が異なる各種土壌におけるジオキシゲナーゼ遺伝子の多様性 : 有用遺伝子資源としての土壌の有効活用に向けて
- S6II-15 Stable Isotope Probing法を用いた水田土壌の脱窒群集構造解析(第2報)(S6II.分子生態学的解析手法を研究室のルーチンに!,6.土壌生物,2008年度愛知大会)
- 6-4 光合成細菌の接種が水田土壌からのメタン発生に与える影響(6.土壌生物)
- 23 赤黄色土に対する各種土壌改良資材の反応(関東支部講演会)
- 根圏環境 : 機能解明から制御へ
- 23-4 富栄養湖底質汚泥の陸地還元(第一報) : ケイ酸カルシウム系凝集剤による凝集沈殿物の植物培地としての利用(23.地域環境)
- B-39 DGGEによる土壌微生物の群集構造解析におけるheteroduplexの生成およびその影響(群集構造解析,口頭発表)
- 新しく開発した手法により様々な土壌から抽出したDNA、リン脂質、キノンの質的および量的な相互比較(6. 土壌生物, 2004年度大会講演要旨集)
- Effect of chlorate on nitrification in longan plantation soil(Soil Biology)
- タバコ培養細胞へのカルボキシペプチダーゼ遺伝子の導入によるカディスチン[(γ-EC)_nG]合成活性の誘導とCd耐性の付与
- カルボキシペプチダーゼのカディスチン[(γ-EC)nG]合成能
- グルコアミラーゼ澱粉結合ドメインフラグメントのアミノ酸置換タンパク質C509GとC509Sの熱変性
- pHジャンプ法を用いた,ヌクレアーゼ再生反応に関する速度パラメータと遷移相の熱力学諸量の評価
- 6-27 PCR-DGGE法を用いた水田土壌の脱窒菌群集構造解析(6.土壌生物,2007年度東京大会)
- 6-26 nir遺伝子配列に基づいた水田土壌の脱窒菌群集構造解析(6.土壌生物,2007年度東京大会)
- 6-25 Stable Isotope Probing法を用いた水田土壌の脱窒菌群集構造解析(6.土壌生物,2007年度東京大会)
- 土壌微生物学におけるポストゲノム研究の現状と将来(2004年福岡大会シンポジウムの概要,日本土壌肥料学会2005年度大会プログラム)
- 熱測定法による, 土壌微生物活性への土壌ストレス物質の影響の解析 : 塩化ナトリウムによるグルコース資化抑制効果
- 8-27 茎粒形成におけるCDPK遺伝子に関する研究(8.共生)
- 土壌の物理的構造と細菌のすみか(土壌環境での細菌の生き様を探る)
- P22-15 鉄の還元溶出を利用した排水からのリン除去に関する研究(第3報) : 高結晶性鉄資材の施用による鉄溶出能安定性の改善(22.環境保全,2007年度東京大会)
- 6-9 土壌中の鉱物粒子に生息する細菌の多様性(6.土壌生物,2007年度東京大会)
- P2-3 森林土壌からの鉄の溶出と移動に関する研究 第2報 : 低分子有機酸によって土壌から溶出される鉄化合物の限外ろ過によるサイズ分画(2.土壌有機・無機化学,2007年度東京大会)
- PA-61 土壌より分離された微細藻類培養株に共存して培養される難培養細菌(その他,ポスターセッションA,(1)ポスター発表会,研究発表会)
- P22-8 鉄の還元溶出を利用した廃水からのリン除去に関する研究 (第2報) : 鉄資材と廃水の接触面積がFe(II) 濃度に及ぼす影響の検討(22. 環境保全, 2006年度秋田大会講演要旨)
- 6-17 各種土壌におけるγ-HCH分解酵素遺伝子の分布と多様性(6. 土壌生物, 2006年度秋田大会講演要旨)
- P2-1 森林土壌からの鉄の溶出と移動に関する研究 : 低分子有機酸によって土壌から溶出される鉄化合物のサイズ分画(S2II. 環境および堆肥中の腐植物質の構造特性と植物への影響, 2006年度秋田大会講演要旨)
- C-37 有機塩素系農薬γ-HCH(γ-BHC)を30年間連用した土壌から単離したγ-HCH分解菌(Sphingomonas sp.)の多様性(バイオレメディエーション,口頭発表)
- 28-A-06 土壌からの新しいDNA抽出法の開発とそれを用いた微生物群集構造のDGGE解析(群集構造解析,一般講演)
- 共生(第3部門 土壌生物)
- 6-6 森林火災の影響を受けた熱帯林における土壌細菌の群集構造(6.土壌生物,2007年度東京大会)
- 1. 根圏の細菌相と病害抑制 : トマト青枯病を一例として(根圏環境 : 機能解明から制御へ)(2003年神奈川大会シンポジウムの概要)
- 2A-4(P-120) クラスタリングに基づくDNA fingerprintデータの解析 : Rプログラムの開発(口頭発表+ポスター発表)
- Community Structure of Soil Bacteria in a Tropical Rainforest Several Years After Fire
- PA-25 Diversity of nitrite reductase genes, nirK and nirS, in rice field soil(Agricultural ecosystem,Poster presentation A)
- 15-4 脱硫石膏を利用したアルカリ土壌の改良と食糧生産 : 土壌の物理・化学性に及ぼす影響(15.土壌保全)
- 土壌環境に導入された微生物の生残性を規制する要因
- 4-23 γ-HCH分解菌の土壌中における生残部位の解析 : 土壌団粒への生残菌体の分布(4. 土壌生物)
- 4-35 土壌中に導入されたBHC分解菌Pseudomonas paucimobilis SS86の挙動(II) : BHC分解菌が定着に至る条件(4. 土壌生物)
- 4-34 土壌中に導入されたBHC分解菌Pseudomonas paucimobilis SS86の挙動(I) : BHC分解菌の生残を規制する要因(4. 土壌生物)
- 84 殺菌剤TPNの土壌中での分解特性(関東支部講演会要旨)
- Single particle analysis reveals that bacterial community structures are semi-specific to the type of soil particle(Soil Biology)
- Presence of linA-Homologous DNA Sequences in Different Types of Soil and Their Sequence Diversity
- PA-24 Diversity of denitrifying bacteria in rice field soil revealed by Stable Isotope Probing(Agricultural ecosystem,Poster presentation A)
- S1-4 土壌微生物多様性の環境ゲノミクス解析へ向けて(シンポジウムI:微生物生態学における環境ゲノミクス,第23回大会シンポジウム)
- 10. 土壌DNAの利用,新しい研究手法(その3) : 環境ゲノミクス(土壌中の遺伝子・遺伝子情報…何ができるのか,何がわかるのか)
- 移りゆく時代の中で変わらぬもの : 日本微生物生態学会第22回大会(東京)への招待
- 1.はじめに(土壌中の遺伝子・遺伝子情報…何ができるのか,何がわかるのか)
- 第2回生物学国際高等コンファレンス(OBC)「テラ・マイクロバイオロジー」(国内外情報)
- 水稲根に含まれるCd結合能力を有するカディスチン[(γ-EC)_nG]合成酵素の性質
- 8-15 シトクロム型亜硝酸還元酵素遺伝子(nirS)を保有するBradyrhizobium脱窒菌の機能解析(8.共生,2010年度北海道大会)
- P6-15 水田土壌で機能する脱窒菌群のRNA解析に基づく特定(ポスター紹介,6.土壌生物,2010年度北海道大会)
- 2-7 クエン酸による腐植-鉄複合体からの"鉄の奪い取り"の強さについて : 室内実験モデルとVisual Minteqによる指標化の試み(2.土壌有機・無機化学,2010年度北海道大会)
- P6-10 農耕地土壌の細菌・古細菌群集構造の季節動態(ポスター紹介,6.土壌生物,2010年度北海道大会)
- P6-2 植物遺体におけるスフィンゴモナド細菌の多様性に関する研究(ポスター紹介,6.土壌生物,2010年度北海道大会)
- セミナー室 土壌圏における窒素循環と微生物--N2Oの動態を中心として(3)水田土壌で機能する脱窒微生物群の特定とN2O低減化への利用の可能性
- Stable Isotope Probing (SIP) 法を用いた土壌で機能する微生物の特定
- Analytical Techniques for Quantifying ^N/^N of Nitrate, Nitrite, Total Dissolved Nitrogen and Ammonium in Environmental Samples Using a Gas Chromatograph Equipped with a Quadrupole Mass Spectrometer
- Phylogenetic and Functional Diversity of Denitrifying Bacteria Isolated from Various Rice Paddy and Rice-Soybean Rotation Fields
- イワマセンボンゴケとその近傍の異なる場所に着生する蘚苔類の基物の化学成分
- 7-2 農薬投与歴を異にする土壌からのBHC分解菌の単離・同定と比較(7.分子生物学)
- 2-2 アルカリ・塩類土壌に対する各種化学素材の反応(2.土壌有機・無機化学)
- 6-7 水田土壌のメタン生成菌のフローラとバイオマスの測定の試み(6.土壌生物)
- 農業環境分野へのメタゲノム解析の展開
- 水田土壌で機能する脱窒微生物群の特定とN_2O低減化への利用の可能性
- 分子生態学的な微生物解析手法の土壌肥料研究への活用(2010年札幌大会シンポジウムの概要)
- 微細藻類の非無菌培養株に共存して培養される組菌の群集組成
- Identification and isolation of active N2O reducers in rice paddy soil
- 水田土壌脱窒細菌Azoarcus KH32C株の接種によるイネの低窒素栽培(2011年度大会一般講演要旨)
- 6-13 培養依存/非依存法による植物遺体上のスフィンゴモナド群集構造解析(6.土壌生物)
- 20 田畑輪換土壌から分離した脱窒細菌の系統分類と脱窒特性(関東支部講演会,2010年度各支部会講演要旨)
- 6-26 Functional Single Cell分離法を用いた水田土壌脱窒細菌の群集構造解析 : 従来の分離法を用いた解析との比較(6.土壌生物)
- 6-25 水田土壌脱窒細菌Azoarcus sp. KH32C株の全ゲノム解析から見えてきた水田土壌生態系への適応メカニズム(6.土壌生物)
- 6-24 N_2生成型脱窒細菌を利用した畑土壌からのN_2Oガス発生低減化の試み(6.土壌生物)
- 1-41 高窒素負荷環境の中国亜熱帯林土壌におけるアンモニア酸化アーキアによる硝化(1.物質循環・動態)
- Gross nitrification rates in four Japanese forest soils : heterotrophic versus autotrophic and the regulation factors for the nitrification
- Functional Single Cell分離が明かす水田土壌脱窒菌の機能と生態
- Nitrification and nitrifying microbial communities in forest soils
- 水田土壌における逐次還元反応と微生物群集の季節動態(2010年度大会一般講演要旨)
- 多サンプル同時熱測定法による土壌の生物性評価の試み : 各種炭素化合物代謝過程の解析に基づいて(2010年度大会一般講演要旨)
- 中国亜熱帯林土壌における窒素動態と微生物群集 : 安定同位体を用いた無機態窒素動態解析(2010年度大会一般講演要旨)
- 土地利用や堆肥・農薬投与,芳香族化合物添加の有無が異なる各種土壌におけるジオキシゲナーゼ遺伝子の多様性 : 有用遺伝子資源としての土壌の有効活用に向けて(2008年度大会一般講演要旨)
- 土地利用や堆肥・農薬投与,芳香族化合物添加の有無が異なる各種土壌におけるジオキシゲナーゼ遺伝子の多様性 : 有用遺伝子資源としての土壌の有効活用に向けて
- 土壌におけるY-HCH dehydrochlorinase (LinA)遺伝子の分布と多様性(2006年度大会一般講演要旨)
- 土壌の物質代謝を担う微生物の特定・分離と生態の解明(日本土壌肥料学会賞受賞)
- 学-3 土壌の物質代謝を担う微生物の特定・分離と生態の解明(日本土壌肥料学会賞記念講演,2011年度日本土壌肥料科学会賞等授賞式・記念講演)
- 日本土壌微生物学会2010年度大会(東京)公開シンポジウム「土の微生物-地球を支える小さな生き物たち」を開催して(こんなことが,いま)
- 熱測定法による土壌微生物の多様性評価(2012年度土壌微生物学会講演要旨)
- Functional Single Cell 分離が明かす水田土壌脱窒菌の機能と生態
- 塩入土壌学の時代背景と思想 : 没後50年を迎えて(2011年つくば大会シンポジウムの概要)
- A Practical Guide to Ecological Modelling-Using R as Simulation Platform を用いた生態学的モデリングに関する勉強会への参加報告
- 38 土壌表面に施用した有機質肥料からの糸状菌によるN_2O発生(関東支部講演会,2012年度各支部会)