脳死と臓器移植に関する新聞報道の内容分析 : 見出し文を構成した言葉を中心に
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概要
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昨年10月15日, 臓器の移植に関する法律が施行されて4ヶ月経った。いまだに第1例目の移植は実施されておらず, このテーマは日本人には受け入れ難いともいわれている。そこで, そのような国民感情に影響したと考えられる新聞報道に着目し, 臓器移植問題が国際化し始めた1982年から, 脳死臨調の答申を経て議論が国会の場に移った1994年までの全国版三紙(読売新聞・朝日新聞・毎日新聞)の見出し文を対象にしてどのような問題点が掲載されたかを分析した。分析には, (1)見出し文をプラスイメージ(価値付与)・マイナスイメージ(価値剥奪)・中立の三方向で分類した後, (2)価値剥奪に属する見出し文をJSORTプログラムで分析し, 抽出された個々の言葉を統合して報道された問題点を示すという方法を用いた。その結果, (1)価値付与の見出しは約70%から60%で推移し, 記事の多くはプラスイメージを伝えていたが, (2)脳死への疑問やそれを認めた場合に生起する諸問題, 移植医療の体制の問題など慎重な立場を取らざる得ない背景や広範囲な問題点も伝えたことが示された。
著者
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