キャンパス・ハラスメントを可能にするシステム : ハラスメント構造を下支えする知(1)
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概要
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近年,キヤンパス・ハラスメントをめぐる状況は,急速に変化してきた。従来「問題」とみなされなかった事柄が「問題」として認識されるようになったことは,大きな変化といえる。ハラスメントとして問題化され,改善・防止に向けての取り組みがなされることは,被害者・被害者となる可能性のある者にとって極めて重要な意味を持つ。しかしながら,相談窓口が設けられ被害者の救済措置システムが整備される一方で,その取り組みが目的を達成するには大きな困難がある。この社会においてハラスメントを取り巻く状況は被害者・被害者となる可能性のある者に対して決して好意的ではない。「ハラスメント構造」というべきものが存在するからである。特に大学システムそれ自体が「ハラスメント構造」を再生産する知のシステムであり,ハラスメントを可能にしているといえる。 本橋では,「ハラスメント構造」を知のシステムの特徴のひとつとしてとらえ,主にセクシュアル・ハラスメントに焦点をあてながら,キャンパス・ハラスメントの防止に向けての取り組みにはどのような困難があるか,被害者・被害者となる可能性のある者の利益という側面から環境を整えるにはどのような課題があるかを示したい。
- 2003-03-20
著者
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