<原著>運動を契機とした生体内 Heat Strokeの実験的研究
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概要
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最近学校体育教科で炎天下または室内の運動を契機として身体の変調を訴えた後,短時間で悪性高熱症(Malignant Hyperthermia)様の症状を示し,死に至る幾つかの報告がある。本症は悪性高熱症と極めて類似した症状を示し,一般的な日射病とは区別されExertion induced Heat Stroke(EIHS)とされている。MHやEIHSの発症誘因は生体内の熱貯留であるとされている。しかし,EIHSの熱貯留はMHは早い速度で熱貯留するのに対して遅い速度で上昇する。本実験では生体内熱貯留を10分間に0.8Cの遅い,1.8Cの早い速度で上昇させた時にMHやEIHSで示す様な筋小胞体膜や丁管膜等の筋内部膜の形態的および機能変化を引き起こすかどうかをMiniature Pigを使用して調べてみた。その結果,EIHSで示す様な循環系や筋細胞での形態的,機能的変化はゆっくりした生体内熱貯留では示されないが,早い生体内熱貯留では生理機能の緩やかな破壊を引き起こすことを認めた。これらの結果は人工的な生体内熱貯留だけではMHやEIHSを引き起こさないことを示しているものと推察される。
- 川崎医療福祉大学の論文
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