末梢神経障害による骨格筋内部膜機能変化
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概要
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骨格筋の収縮-弛緩障害の成因は筋自体と支配神経に起因する場合が多い.末梢神経障害によって引き起こされる骨格筋の萎縮は支配神経の再修復によって回復することが知られている.一方, 神経刺激は支配骨格筋筋鞘丁管膜の脱分極を導く, この情報が筋細胞内Caイオン貯留部位である小胞体膜からのCaイオン遊離を引き起こす.骨格筋の収縮は小胞体膜からのCaイオン遊離によって引き起こされる.即ち, 丁管膜電位依存性Ca-channelと筋小胞体膜のCaremeasechannelの機能は密接に連携しているとされる.そこで本実験は骨格筋の支配神経を離断した場合に支配骨格筋の筋小胞体膜Careleasechannel機能がどのような変化を受けるか, さらに丁管膜電位依存性Ca-channelとの関係について検討した.その結果, 脱神経骨格筋小胞体膜Ca遊離は脱神経によって消失し, 神経再支配によって骨格筋小胞体膜のCa遊離機能は回復することが明らかとなった.しかし, 筋小胞体膜のCareleasechannel開口の指標となるryanodine結合を調べると, 脱神経筋小胞体膜Careleasechannelのryanodine結合のBmaxは正常小胞体膜のCareleasechannelのryanodine結合のBmaxと同等であるにも拘わらず, Kd値は明らかな相違を示した.この結果はDihydropyridine系薬剤によって丁管膜のL型Ca-channelの抑制によって引き起こされる小胞体膜Ca-channelの抑制とは異なる結果である.従って, 丁管膜のL型Ca-channelの蛋白構造変化が小胞体膜のCareleasechanne1に直接連動している可能性を示唆していると同時に丁管膜のL型Ca-channelの蛋白構造変化には幾つかのプロセスが有るように考えられる.
- 川崎医療福祉大学の論文
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