<原著>皮膚伝導度反応の古典的条件づけにみる新たな展望 : Furedy, J. J. の燻製ニシンにこたえて
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概要
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CR反応潜時よりも短い刺激間間隔を用いたSCR条件づけにおいて, そこで観察される反応がORであるかCRであるかに関する論議は, 数多くなされてきた.しかしながら, いずれの立場も自説を証明するに充分な証拠を提示していない.そうした状況にあって, Furedyら(1977)は, そうした論議が燻製ニシンのようなものだ, と酷評し, そうした論議の排除を提案した.一方, Stewartら(1961)は, ORとCRを分離しうる有効な手段として, 長い刺激間間隔を用いることの可能性を提唱した.長い刺激間間隔を用いる延滞条件づけで観察される複数の峰をもつ反応は, 複合反応と呼ばれ, 各反応成分の分析が行われてきた.本稿の目的は, Furedyらに答えて, 複合反応の分析にもこうした燻製ニシンのような論議が内在していることを指摘し, かわって, SCR条件づけにおける複合反応の分析に関する新たな展望を試みるものである.
- 川崎医療福祉大学の論文
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