<原著>医療福祉施設職員のアドボカシー機能に関する研究 : 医療福祉専門職の倫理綱領の比較を通して
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概要
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医療福祉施設職員は, セルフ・アドボカシーの補助者として利用者にもっとも近い職業人として, 利用者の生活や人権を擁護・代弁すべき立場にある.しかし, 医療福祉施設職員と利用者の考えや利益とが一致するとは限らない.また, その医療福祉施設職員と他の医療福祉専門職や医療福祉施設(法人)の意向とも一致するとは限らない.さらに, 他の医療福祉専門職や医療福祉施設の意向と利用者の意思も一致するとは限らない.このような場合, 当該医療福祉施設職員は, セルフ・アドボカシーの補助者としての立場と, 医療福祉施設職員としての立場との狭間にあって微妙な立場に立たされることになる.そこで, 医療福祉施設職員のなすべき行為を明らかにする一助として, 医療福祉施設で中心的な役割を果たしている医師, 看護婦(士), 社会福祉士, 介護福祉士の倫理綱領, 老人福祉施設倫理綱領及び日本知的障害者愛護協会倫理綱領をとりあげ, (1)当該医療福祉専門職(自己)と利用者の関係, (2)専門職(自己)と他の職員・専門職との関係(法人・施設との関係を含む), (3)他の専門職等による利用者への人権侵害に対する介入の可否という3つの関係に分けて分析し, 比較検討した.その結果, 上記の3つを決定するのは, 最終的に利用者の権利をどの程度保障するかということであり, 医療福祉の領域でも, 利用者の権利を基礎にした, 専門職間相互の連携をはかった倫理綱領の策定が必要であると考えた.
- 川崎医療福祉大学の論文
- 2000-06-26
著者
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