二十一世紀における服飾造形のあり方 : 高齢者が自立するためのファッション
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概要
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二十一世紀の高度情報化社会と高齢社会の到来は教育面においても大きな影響を与え,情報環境の整備と社会的問題へ貢献できるような教育内容の充実は大きな課題である。二十一世紀に活躍できる人材の育成を目指す服飾造形教育においても,この二点を見据え,人間の生活に直接かかわる様々な場面で使用される製品や空間をデザイン・設計・製作する造形能力を総合的に学ぶカリキュラムの検討が模索されている。特に学生の学習意欲や理解・興味を持たせる上で,メディア化の時代に備えた3次元画像,動画やビデオなど多様な表現による教材の検討が必要である。同時に高齢社会において,高齢者の安全で快適な生活の質の向上を図るために高齢者側に立った視点の導入が急務である。例えば高齢者の置かれている状況を把握するための体験学習に入る前にシュミレーション教育を行うことは,問題発見解決学習を助ける有効な方法である。また,研究の成果が高齢者の生活に役立つように還元に努めていかなければならないと考える。そこで本論文では,このような観点に立ち,被服学・生理学・デザインの三分野から"二十一世紀における服飾造形"における教育と研究のあり方を考えてきた。その結果教育面では,学生が広範な領域を包括し総合的に学ぶために,従来の研究室の枠を取り払い,目的に応じて研究室を自由に行き来しまとめ,完成できる教育システムの導入が急務であると考え,対応できる方向を探ってきた。特に高齢社会に向けて,高齢者が自立するためのファッション設計を教育の中で実現し,実験データーを記録,保管・検索できるシステムとしてデーターベース化できるようにすることは緊急の課題であると認識し,高齢者の服としての繊維素材,色彩心理,パターン・デザイン,テキスタイル・デザイン,コミュニケーション・デザインなどのアプローチを試みた。第1報ではこのうち1.高齢者寝衣の実態調査,2.擬似体験による寝衣の構造と着脱,歩行動作,3.コンピューターによるテキスタイル・デザインに関する総合化について報告する。
- 2001-03-31
著者
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