スカートにおける作図上の問題点 : タックスカートにおけるタック分量とタック線の傾斜について(第1報)
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概要
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タックスカートにおけるタックは,そのたたみ方により,フィット性や見た目の美しさにかなりの影響をおよぼすことが,ワンサイズの仮製作実験ではあったが確認された。体型になじんだ美しいシルエットのタックスカートを製作するには,ウエスト寸法とヒップ寸法およびヒップに対するゆとり量などから算出されるタック分量により,タック線1本1本の傾斜を微妙に変化させていく必要があることになる。しかし,はじめにも述べたように,ファッション雑誌におけるタック部分の作図に関しては,ヒップラインに対し垂直に引いた線で現わされているもの,あるいは,線の下方を多少細めてあるものといった具合いで,傾斜は明確に示されていない。今回この実験により,ある程度の傾斜に対する数値がつかめたような気がするが,これを総て作図上で表現することは一般的には無理なことであり,微妙な変化に対しては今後も仮縫いにたよらざるをえないと考える。しかしながら,授業裁目としてのキュロットスカートのタック部分に関しては,少なくとも前後スカートそれぞれのタック広がり寸法に対する平均傾斜値を取り入れたものにし,仮縫い時の補正を出来るだけ少なくしていければと考えている。なお,今後,サイズの異なる場合の実験を行うとともに,素材の違いに対してはどのように影響をおよぼすかなどに関する実験も試みてみたいと考えている。
- 1996-03-31
著者
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