聴覚障害者の精神健康に関する日米比較
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概要
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GHQ30項目版を用いてアメリカの聴覚障害者(ギャロデット大学の学生)と日本の聴覚障害者の精神健康度の比較を行った。その結果, 以下のような特徴が明らかにされた。(1)アメリカの聴覚障害者の精神健康度は日本と同様, 健常者と神経症者の中間にある。ただ, アメリカの聴覚障害者の方が日本の聴覚障害者より精神健康度は高い傾向がみられた。(2)日本ではろう者より難聴者の方が精神健康度は低いが, アメリカのろう者と難聴者では精神健康度の違いはみられなかった。(3)アメリカと比べて日本のろう者, 難聴者は, 身体的症状, 睡眠障害が認められた。日本の聴覚障害者のストレスは身体反応として現れやすい。(4)アメリカは法律により障害者を受け入れる社会体制が整っている。そのため国民は障害者に対する理解があり, 聴覚障害者自身も障害を受容しやすくなっている。日本はそのような背景がなく, 聴覚障害者は障害者としてのアイデンティティを獲得しにくい状況にあるといえる。
- 札幌学院大学の論文
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