障害児学級における交流教育の一試行
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概要
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Integrationという言葉が障害児教育の中で使われるようになったのはそう新しい事ではない。障害を背負った者と,そうでない者がお互いを理解しつつ生きていく事だと考えている。しかし,学校教育の現場では,どのような環境を整えることがこの共に生きつつある事を保障するのだろうか。石狩町立紅南小学校では特殊学級の児童が毎朝交流学級に行っている。運動会や学芸会では全校で公認された世話係の実行委員会が設置されてその委員だちと共に行事参加をしている。こうした実践を通して障害の有無を越えて仲間として認め合う試みがなされてきた。こうした積み上げから次のような点が明らかとなった。(1)毎日交流学級へ行くことは,明確に具体的な仕事をするとか,しないとかに関わらずその学級の仲間として認められるためのベースとして有効な活動であった。(2)多くの健常児は,障害児と交流をする場合に,たとえ毎日顔を合わせていても,個別的で具体的なつきあい方を知らない場合には「不安」を持つ者が多い。(3)運動会への参加や学芸会への参加等の行事参加に共同で取り組むと,その後の健常児と障害児のつきあいは個別化し,深まる事が多い。(4)特殊学級担任の教育に対する姿勢が,交流教育を実りあるものにするためには重要な要素である。
- 北海道教育大学の論文
- 1990-03-12
著者
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牧野 誠一
北海道江別市立東野幌小学校
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西 俊六
北海道石狩町立紅南小学校
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牧野 誠一
北海道石狩町立紅南小学校
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山尾 裕子
北海道石狩町立紅南小学校
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北本 恵礼奈
北海道石狩町立紅南小学校
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松木 聡美
北海道石狩町立紅南小学校
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新館 長精
北海道石狩町立紅南小学校