情緒障害児のコミュニケーションとしての言語指導 : 帯広市通級制情緒障害学級の実践
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概要
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この報告は,私たちが3年計画で進めてきた研究のまとめとして,第28回「帯広市障害児研究会」で発表したものの要約である。帯広市に通級制の情緒障害学級が設置されて18年を経た。当初はことばが無く多動性の重度の自閉的傾向児が多く,その治療指導に関わってきた。一貫して残されてきた問題は,内言語・表出言語を獲得し自閉的傾向も大よそ改善されたかに見える子どもたちが,家庭,学校あるいは他集団の中に入ると言語をコミュニケーションとして十分使いこなせずに,社会性や常識の欠如,あるいは対人関係の未熟さという形で辛い立場にたっていることであった。担当者としては自閉的傾向児と相対し言語の発達段階に合ったアプローチの方法等に注目して研究を進めてきた。内言語や表出言語はたとえ少なくても,そのことばを子どもが個々に生活語として使え,長じても人間として生きる基本のところでことばをコミュニケーションとして使うことができることを日々願ってとりくんでいる。ここ数年来帯広市の情緒障害児の傾向,内容が大きく変わりつつある。つまり,自閉的傾向中心の情緒障害児から学習不適応・集団不適応・チック症・登校拒否的傾向など多様化の傾向にあり,それらの児童の内面を知る手立てはいかにあるべきかという問題もクローズアップされてきた。そこで,研究内容は大まかに自閉的傾向児,心因性情緒障害児の二分野に分けて進めてきている。
- 1991-03-25
著者
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津村 賢徳
帯広市立明星小学校
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佐藤 徳子
帯広市立緑丘小学校
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浜口 悦子
帯広市立明星小学校
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沼田 憲彦
帯広市立明星小学校
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村上 三重子
帯広市立明星小学校
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横浜 ミヱ
帯広市立明星小学校
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鈴木 新子
帯広市立緑丘小学校
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鈴木 淳
帯広市立緑丘小学校
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北川 和博
帯広市立緑丘小学校
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北川 和博
北海道教育大学特殊教育特別専攻科
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北川 和博
帯広市立啓西小学校
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