BTB比色定量法によるブドウ球菌糖代謝活性の検討
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概要
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ブドウ球菌分離株5株(S. aureus 2株と S. epidermidis 3株)のマンニット, 乳糖, およびガラクトース代謝活性を, BTBを用いて酸生成を比色定量する方法により検討した. S. aureus 2株は上記いずれの糖をもよく代謝し, 又S. epidermidis 3株はいずれもマンニットを全く代謝せず, BTB寒天平板による定性試験の結果とほぼ一致した.epidermidis 3株中乳糖陽性株2株はともに乳糖をよく代謝するが, 内1株がガラクトースをほとんど代謝せず, 他の1株のガラクトース代謝活性は乳糖代謝活性より低い.このような所見はaureus 2株での所見とは一致せず, これらepidermidis株では"Lac PTS"活性が全く証明されないか又はきわめて低いという事実と合わせて, epidermidisの乳糖・ガラクトース代謝系がaureusのそれと異なっていることを示唆するものと思われる. 乳糖陰性epidermidis株1株は予期した通り乳糖代謝活性を持たないが, ガラクトースをかなりおそい速度で代謝する.epidermidis 3株はいずれも寒天平板上ではガラクストース陽性であるから, BTB比色法による代謝活性の測定は, 寒天平板法では明らかでない糖分解能の量的な差をかなりの程度にまで明らかにし得ると見てよいであろう.
- 高知学園短期大学の論文
- 1979-08-31
著者
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