Vibrio parahaemolyticusのphosphoenolpyruvate-dependentphosphotransferase system (PEP・PTS)

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概要

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• 1.Vibrio parahaemolyticusのphosphoenolpyruvate-dependent phosphotransferase system(PTS)に欠失のある変異株には, その多欠損性の範囲からみて明らかに異なる2種のものがある.このことはこれまでよく知られているEscherichia coli,Staphylococcus aureusなどのPTSにおいては見られない現象である.2.この菌がPTSで膜透過する糖は, 多欠損性の範囲の広い変異株から推定すればグルコース, トレハ口ース, フルクトース, マンノースおよびマニトールの5種と考えられ, 事実これらの糖のPTS活性が野生株の粗抽出液中に証明される.3.多欠損性の範囲の狭い変異株ではグルコースとトレハロースの糖利用のみが欠失し, その欠失成分は種々の所見からみてHprタンパク質であると推定されるが, その確実な証明は今後に残された問題である.4.他の菌のHpr(-)変異株で知られているのと同様に, この変異株では同時に細胞内cyclic AMPの著しい欠乏状態が存在する所見を示し, 培地にcyclic AMPを添加しない場合はグルコース, トレハロースのみならずほとんどすべての糖の利用が欠失しているようにみえる.この現象の機構は現在なお不明である.

• 高知学園短期大学の論文
• 1976-03-01

著者

• 藤沢 麻子

  高知学園短期大学術生技術科微生物学研究室

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