歴史レディネスアンケート集計結果報告1
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概要
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現状における生徒の基礎的・基本的知識を知る手がかりとして,6年前から実施してきた「地理レディネスアンケート」を今般分析した。アンケート項目は全部で135項目あり,市販の高校用地理用語集から,極力重要語句を抜き出すかたちで分野ごとに満遍なく選んだ。その結果,どの回生も認知率の高いものと低いものに二極分化しており,地理に関する知識の情報源にはあまり個人差がないということを予想させた。分野別には比較的自然環境分野がよく認識されており,特に気候環境分野の認知度が高く,次いで「人口・生活・地域調査」の基本的な人文地理分野の認知率が高いことがわかった。気候に比べて同じ自然環境でも地形環境の認知率が低いという傾向もあった。また,教科書や授業で習ったことは覚えているが,それ以外は知らないという生徒が圧倒的で,残念ながら地理の学習が日常の世界情勢などの興味・関心を引き出し,学校知から生活知へ転移していないということもうかがわせた。このアンケートは,生徒の地理的基礎認識を推し量るのにどのような項目を設けたらよいのかを,改めて考える契機になった。今後は,より有意義な基礎力調査の手法を探りたいと思っている。
- 金沢大学の論文
著者
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