<原著>パーソナルコンピューターを使用した超音波3次元表示の基礎的研究

概要

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超音波診断装置は医療分野において広く普及しており,軟組織病変の画像診断における第一選択として利用されている。超音波診断の最大の長所は,無侵襲で簡便にしかもリアルタイムで生体の構造を断層画像としてみられることである。しかも装置はコンパクトで,小規模の施設でも十分使用可能である。しかし,その操作性の簡便さと裏腹に,画像の撮像自体に術者の主観が入りやすく再現性に乏しいという欠点がある。また,その構造上,断層面が規定されることが多く,生体内の自由な断層面が得られるとは限らない。これらの欠点を改善する一つの方法として,超音波像の3次元化が考えられる。すなわち3次元化の過程で画像情報を記録することにより再現性が生じ,さらに目的とする任意の断面の抽出が可能になると思われる。その臨床応用が可能になれば頭頸部領域の疾患,たとえば腫瘍,嚢胞,膿瘍および顎関節症の画像診断の一助になると考えられる。以上をふまえ,今回の研究は,一般の超音波診断装置を利用し,簡便に3次元画像を可能にする機器の開発を目的に行われた。
北海道医療大学の論文
1998-12-30