咀嚼・嚥下機能の検査・診断システムの確立に向けて

概要

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咀嚼・嚥下機能の検査・診断は, 歯科医療を科学的に遂行するうえで欠くことのできないものである。しかし未だ完全には確立されてはいない。嚥下とは食物を口腔に摂取し, 口腔内での粉砕・混和・食塊形成の加工処理を行い咽頭へ送り込み, 咽頭, 食道を経て胃に送ることである。咀嚼とは食物を摂取し, 口腔で粉砕・混和・食塊形成し, 咽頭へ送り込み, 嚥下に備えることである。リズミカルな咀嚼運動中にも食塊の咽頭への送り込み, ならびに嚥下反射による食塊の咽頭通過は生じている。すなわち咀嚼から嚥下に至る過程は一連の口腔機能であり, これらを十分に理解することにより的確な機能評価を行い得る。これまでの機能評価は患者の主観的な評価である咀嚼能力と, 食物の粉砕などの機械的能力を食物の変容・動態あるいは下顎運動や咀嚼筋活動などの生理学的指標で客観的に評価する咀嚼能率の両面からなされてきた。開発された種々の方法は, それぞれ評価対象とする機能を敏感に検知しうる性質を有している。今後, 咀嚼・嚥下機能の検査・診断システムを確立するうえでは, それぞれの機能検査が何を対象としているものかを理解し, これらを系統的に用いることが必要である。
東北大学の論文

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