脱灰骨の骨膜下Onlay Graftに関する実験的研究
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
骨移植材料として脱灰骨, 自家新鮮骨などを用い, 骨形成促進能について基礎的な実験研究を行なった。移植部位としてラット頭頂骨を選び, 脱灰骨などの移植骨をその骨膜下に重層移植, いわゆるonlaygraftすることにより骨形成促進能を比較検討した。移植材料としてSpongel^R, 自家新鮮皮質骨, 同種脱灰骨, 骨膜側に自家新鮮海綿骨・骨髄を添加した同種脱灰骨, 異種脱灰骨, 同種脱灰歯を使用した。移植後1,3,5,10週に屠殺して病理組織学的に検索し, 次のことが明らかになった。(1)ラット頭頂骨の骨膜下onlaygraftにより, 母床骨との癒合状態を観察することができた。(2)移植骨片周辺部の母床骨表層のつなぎどめ仮骨の形成および移植骨片部の新生骨との癒合は, 移植骨片と母床骨の癒合に密接に関与すると考えられた。(3)自家新鮮骨移植の成積が最も優れていたが, 同種脱灰骨移植も10週間の短期実験でみる限りでは良好な骨形成促進能を有していた。(4)同種脱灰骨移植では, 個体によっては移植骨片の吸収が不良なもの, 骨形成や骨成熟の遅いものが認められた。(5)異種脱灰骨移植は, 組織反応が強く, 同種脱灰骨移植よりさらに骨形成促進能が劣っていた。
- 東北大学の論文
- 1982-12-31
著者
関連論文
- 重篤な頸部蜂?織炎の1例
- 骨代用材としての多孔質ハイドロキシアパタイトに関する実験的研究
- ヤマカガシ咬傷で, 蛇毒による出血傾向発現後, 下顎骨骨体部に著明な骨添加を認めた1例
- 脱灰骨の骨膜下Onlay Graftに関する実験的研究
- 下顎骨関節突起部に発生した化骨性線維腫の1例
- 顎裂部に対する自家腸骨海綿骨細片移植-第2報 骨架橋形成について-
- 顎裂部に対する自家腸骨海綿骨細片移植-第1報 手術手技について-
- 慢性下顎骨骨髄炎の骨シンチグラム
- 歯肉線維腫症の1例