新潟県八石山地における新第三系の花粉層序
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概要
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要約 新潟県中部の八石山地は新第三紀後期から第四紀初期の地層の発達が良い。この地域のうち,とくに連続露頭があるルートを選び花粉分析を行なった。扱った地層は椎谷層から魚沼層群までであり,この間の西山・灰爪両層は全層準にわたって化石を得ることができた.その結果次の諸点が明らかになった.(1) 全層準をとおして,Taxodiaceae,Fagus が優勢であり,このような花粉組成は男鹿半島の花粉化石帯のTaxodiaceae-FaguspollenzoneIに含まれる内容である.(2)Fagusの産出は灰爪層下位(TK-60層準)を最低率とし, その上下層準で除々に高率化する傾向が顕著に認められる。同様な現象は,新潟県中東油帯でもみられるし,辛日町市西部および秋田児男鹿半島でも類似の現象がある。これらの現象がさらに広く各地で認められるならば,規準面の設定に有力なものとなる。(3) 今回得られた一連の花粉組成は,暖かい要素の多い第三紀型植物群よりは後の時代の,第四紀の氷期の植生に至る間の過渡的な植生を反映したものと理解される.
- 山形大学の論文
- 1979-02-20
著者
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