ウズ(ル)の談話機能
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概要
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中世末期ウズとウズルの両形態が共存したことについて、両形態がどような機能の差を持って共存したかを論ずる。また、それに付随して、当時ウズ(ル)と意味的に対をなしていた否定推量の助動詞マイとマジイの両形態の分布についても論ずる。 ウズとウズルについて、談話機能表示の観点から検討を加え、両形態の担う談話機能の違いを明らかにする。終止法に使われるウズとウズルは、聞き手への働き掛けの強弱の差を持ち、発話の終了表示に使われる。 次にマ(ジ)イについて、ウズ(ル)と意味的に対をなすものの、マイとマジイとの差は、文末表示⇔発話末表示の差とは言えないことを明らかにする。話し手の言表内容に対する捉え方の差がマイとマジイの形態の違いに表れているものであると考えられる。
著者
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