Hardy小説に於ける明暗の対比
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概要
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本論文は,Hardy小説に於いて夜と闇の効果が巧みに用いられていることに着目し,六作品について分析を試みた。personifyされたEgdon,古代Druidismの神殿であるStonehengeやtrilithon等,特殊なlocationを用い,それらに馴染む夜と闇を配したHardyの巧みなsettingは,後のnaturalistsに大いに影響を与え,Freud,Jungの無意識に基づく心理学に近い立場をとった彼らに先鞭をつけたといえるだろう。Egdonの闇は人間の本能,意識下の意識の象徴と解釈され得ると共に,他のlocationでも,夜と闇は無意識,混沌,無秩序,異教性,超自然,怪奇,恐怖,等と結び付いている。夜と闇に対して,朝と明るさは理性,秩序,キリスト教主義,現実,等と結び付き,夜の出来事の明確化に関わることもしばしばである。しかし闇が暗示する人間の心の闇をも取り去ることはない。目の前には荘漠としだdarklingplain'が依然として広がり,そこに微かな光一生の本能-が見えるのみである。
- 弘前大学の論文
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