北海道南西沖地震津波の北海道本土海岸集落での浸水高さ
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概要
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北海道南西沖地心の津波の遡上高とそれによる沿岸町村の居住地域での被害の現地調査を,北海道本土海岸の福島町吉岡港以北,寿都港にいたる70地点について行った.調査では地震動のようす,地震を感じてから津波到達までの時間,津波の被害と海水到達点についての証言を集めた.また,各点についての津波浸水高の測定を行った.家屋流失を伴う重大被害を生じた集落では個々の家屋の被害状況を調べた.居住地に津波が浸水した場所で最も標高が高かったのは島牧村原歌と大成町平浜での8.6mであった.被害が最も大きかった集落は大成町太田で,ここでは70%の家屋が流失または全壊し,120人の住民のうち,7名の死者を出した.地震発生後津波第1波が到達するまでに要した時間は,瀬棚町から島牧村にかけての集落で3分から6分という回答が多い.この時間は余震分布から想定した断層モデルによる伝播時間とよく相応していることが確認された.漁港外側堤防と自然海岸の海岸線が作る隅角部で津波が高くなる現象が大成町太田,瀬棚町中歌港で見られた.漁船の避難,あるいは固定を試みて漁港に近づいた漁業者が,津波の犠牲となる例があった.A field survey of the tsunami due to the 1993 Southwest Hokkaido Earthquake was conducted at 70 coastal residential areas on the coast of Hokkaido. We interviewed eyewitnesses about earthquake damage, arrival time of the initial wave of the tsunami after the main shock was felt, tsunami damage and tsunami inundation areas. We also measured inundation height at each surveyed point, and inspected damage to individual houses.
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