本論は、われわれのスミス研究の課題である『諸民の富』の所有論的考察のための序論に相当するものである。スミス経済学を所有論の観点から考察するという作業は、スミスにおける法学と経済学との関連を取りあつかった一部の研究書をのぞいては、従来のスミス研究史のなかでほとんど省りみられなかったばかりか、 ...
筑波大学社会科学系準研究員