<原著>看護学生の生活実態 : KOMIチャートを用いて現れる調査結果から
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概要
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本研究は,看護学生の生活実態を調査することを目的とした。1996年に公表されたKOMIチャートを用いて,411名の看護学生に調査をした。KOMIチャートは,「あるべき生活の全体像」を「生命の維持過程に直接影響する分野」,「周囲の人々とのかかわりの質に影響する分野」,「『社会過程』とつながり,よりその人らしい生活を実現するのに影響する分野」の3分野になっている。それぞれをさらに,認識面・行動面に分けている。調査の結果,第1分野の認識面で411名全員が「わかる」と回答した細目は,呼吸の1細目をはじめ,食事の1細目,排泄の6細目,動くの1細目,眠るの1細目の計10細目であった。行動面で全員が「できる」と回答した細目は13細目であった。第II分野で全員が「わかる」と回答したのは,清潔の4細目,着脱の2細目,装いの1細目,性の1細目の計8細目であった。第III分野では,役割の1細目,家計の1細目,健康の1細目の計3細目であった。各細目間での相関,因子分析,t検定を行った結果,いくつかの明らかな構造を認めた。1.3分野を通して,学生の典型的な成長発達が示唆され,学生自身,不完全感の意識をもちながら努力している姿を観察できた。2.同様に,KOMIチャートの"生活過程評価チャート"の性質から,人類の発達課題の構造を窺うことができた。3.父の不在では,第III分野の「家庭生活の危険を防ぐ」役割を,祖父の不在では,第II分野の「知的統制」において,兄では,第II分野「道徳的統制」に関与しており学生の意識の成果を示している。
- 2000-03-15
著者
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