第 3 報女子成人病検診における血清蛋白質分画の生理的臨床的意義について(血清蛋白質の電気泳動法的研究)(畜産学科)

概要

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今回は, 40∿70才までの札幌市女子職員299名について, 成人病検査の「スクリニング」結果と電気泳動法による「血消蛋白質分画値」との関係について検討を試みた。 1.成績 1)A_1群‥93名(31%)の成績は表2に示したごとく, その全平均値および年令別分画値は今回成人病検診における「正常値」と推定される。γ-globulin値は男性のそれに較べてやや高い値を示している。2)A_2群‥83名(28%)の成績は表3に示したごとく, A : Gおよびglobulin分画の相互関連性の面を除いてはA_1群の値と大差なく, 「正常値」に準ずる値と考えられる。3)A_3群・A_4群‥計110名の成績は表4,表5に示したごとく, 総蛋白値を除いては, A_1群とは各分画, 各年令層にそれぞれ差異が認められ, 特にalbumin, γ-globulin値は平均値において「病的値」と推定された。4)要精密検査_1群および要精密検査_2群‥計13名の成績は表6,表7に示したごとく, 例数が僅少のため検討が困難で, 後日報告予定の「精密検査」の結果と一緒にまとめて報告する。2.まとめ以上の結果より, 綜合判定A群のうち, A_3群, A_4群は再考を要するグループであり, そのためには, 濾紙電気泳動法による血清蛋白質分画の測定を臨床検査上に普遍的に応用することが望ましい。
1973-12-01