H型マウスガードの使用は体力の改善に有効か
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概要
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マウスガードの使用が競技能力の改善に有効であるかどうかを, 最大努力を発揮する体力測定結果および最大下運動中の呼吸循環応答から検討した。最大努力を発揮する体力測定については運動部に所属する男子大学生4名を, そして最大下運動中の呼吸循環応答については運動部に所属する男子大学生4名と女子大学生1名を被験者として用いた。マウスガードは断面がH型をした二重構造のものを用いた。等尺性筋力はマウスガードの使用によって大きくなる傾向を示したが, 特に左屈腕力と背筋力は有意な増加を示した。等速性脚伸展・屈曲力では, テストした2種の角速度とも脚屈曲力が有意に増加した。垂直跳びと反復横跳びは増加傾向を, そして閉眼片足立ちは減少傾向を示した。立位体前屈は有意に向上した。また, 等速性脚伸展持久力も有意に向上した。ウインゲートテストによる自転車こぎパワーに関しては, マウスガードの使用によって運動開始時から有意に高いパワーが発揮でき, その状態が10秒後まで持続した。全身反応時間では, 神経伝導時間の有意な短縮がみられた。しかし, 最大酸素摂取量をはじめとした最大運動時の生理機能に関しては, マウスガード装着による呼吸障害が影響し, いずれも小さい値を示す傾向にあった。ところが, 最大下運動中の呼吸循環応答は, マウスガード装着によっても影響がみられなかった。本研究の結果は, 大きな筋力やパワーの発揮を必要とする短時間のスポーツや瞬間的な反応を必要とするスポーツでは, マウスガードの使用が競技力の改善に有効な手段となることを示唆している。
- 1998-02-01
著者
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