プラウ及びロータベーターによる耕起作業効率の比較検討
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
トラクタのプラウイング能率とロータベーティング能率の比較をする場合, その表現に使用するデイメンジョンは過去においては耕起面積で示してきたのである。然しこれでは不合理であると考えられるため, 本回はこれを耕起体積にて表わすことにする。実測の結果によれば, 理論作業能率では単位出力当り能率はプラウィグの場合には, 出力の増大につれて, その値が比例的に増加するため, Nm^3/h.P.Sにて表わすことができる。他方ロータベーター耕では, その出力の如何にかかわらず常に一定した数値を示し, これが16.5m^3/h.P.Sとなっている。依ってプラウ耕は単位出力当り能率において, ロータベーター耕よりもN(N-16.5)m^3/hだけ優れているといえる。この理論作業能率に作業効率を乗じて得られるところの実作業能率を, 双方につき比較するならば, 18P.Sのトラクタでの能率が何れの場合もほぼ相等しい。そしてこれ以下の出力では, ロータベーター耕の方が優れ, 又これ以上の出力では, プラウ耕の方が能率が高い。しかも面積の増加につれて, 両者の差が拡大してゆく傾向がみられるのである。要するに30a以上の圃場では18P.Sトラクタによるプラウ耕は, 20P.Sトラクタでのロータベータ耕に匹敵し, 又60a以上の大圃場においては, 25P.Sトラクタでのプラウ耕が, 35P.Sトラクタでのロータベーター耕に匹敵するのである。然しながら播床造成の見地より, その砕土状体の点をも考慮に入れるならば, プラウ耕単独では不完全であるため, 更にハローイングを追加しなければならないのである。従って耕起作業の計画立案に当っては, 以上のことに留意して, トラクタのサイズ並びに作業機の種類を決定すべきである。
- 神戸大学の論文
著者
関連論文
- 湿田における機械化に関する基礎的研究 : 1. トラクタ車輪の接地圧と沈下について
- 丹波篠山盆地における湿田改良対策研究 : IV. 湿田における地下水位調節による土地改良効果
- 丹波篠山盆地における湿田改良対策研究 : III. 湿田土壤に対する土壤改良剤の効果
- 丹波篠山盆地における湿田改良対策研究 : II. 弾丸暗渠穿孔機の設計と施工について
- 丹波篠山盆地における湿田改良対策研究 : 1. 実態調査による総括的考察
- 薬用サフラン球茎腐敗病に於ける土壌熱処理の影響について
- ハーフトラックに関する研究(第2報) : ハーフトラックの牽引性能
- ハーフトラックに関する研究(第1報) : ハーフトラック下の土圧
- 建設機械(パワーショベル)の稼働時間と修理費について
- プラウ及びロータベーターによる耕起作業効率の比較検討
- 建設機械(ブルドーザー)の稼働時間と修理費について
- ニプロ・プラウローターの作業性能に就いて
- アキツ K-10 エンジンを塔載せる試作トラクターの性能について
- (105) 麦萎縮病防除の為の火炎放射器の試作及びその実際効果 (昭和31年度大会)
- 篠山盆地に於ける耕耘の機械化
- 丹波篠山盆地における湿田改良対策研究1 : 実態調査による総括的考察