南極産の魚 Notothenia neglecta Nybelin (ノトセニア科)網膜の光受容細胞と色素上皮の微細構造(英文)
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概要
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南極産の魚Notothenia neglectaはキングジョージ島, アドミラルティ湾の生息域では優先的に出現する魚である。本種は捕食者であり, しばしば, 正確な視覚を用いた待ち伏せ採餌を行う。そこで網膜の光受容細胞と色素上皮の微細構造を電子顕微鏡を用いて解析することとした。網膜には色素上皮と桿体, 短い独立型錐体, 長い独立型錐体, 不等双子型錐体, 三子型錐体の5種の光受容細胞とニューロン, 支持細胞が存在する。色素上皮はたたみ込まれた基底膜, 基底ミトコンドリア, 平滑な網状体, 大量の微小管, メラニン顆粒, 食作用胞, 光受容細胞の剥離膜で特徴づけられている。錐体には外節の二重膜状板, 楕円体・筋様体の副錐体, 連結繊毛, 微絨毛が, 楕円体中には中心小体, そして筋様体・楕円体域には掌状筋様体, ミューラー細胞の頂上微絨毛が存在する。これら総ての状態は, N. neglectaに環境の光条件の変化に対するあらゆる種類の適応を可能にし, N. neglectaを, 水平, 垂直方向に調整可能な10層に配置された細胞を持つという, 複雑な網膜を備える魚類の1種としている。このことが, 周年, 充分な視覚による行動と餌と環境との認知を可能にしているのである。
著者
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Fanta Edith
UFPR, Departamento de Biologia Celular
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Donatti Lucelia
Universidade Estadual do Centro Oeste, Departamento de Biologia
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Donatti Lucelia
Universidade Estadual Do Centro Oeste Departamento De Ciencias Biologicas
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