南極産魚 Notothenia neglecta Nybelin 鰓耙の形態と摂餌に際しての生態学的機能(英文)
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概要
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南極, 亜南極海域の固有種であるNotothenia neglectaは基本的には食肉性であるが, 食物選択の範囲は広い。多様な餌料を捕食することに関連して, 本種の鰓耙はどの様な形態をとっているかを評価するために, サウスシェトランド諸島, キングジョージ島のアドミラルティ湾で標本採取を行った。本種の異内容物の同定と大きさの計測を行い, 咽頭鰓節器官の肉眼的, 顕微鏡的観察を行った。鰓耙の形態と胃内の餌生物の大きさは, 本種が魚食性であるとともに, 他の小型餌生物をも捕食することができることを示している。鋭い絨毛状小歯を持つ鰓耙は, 餌の保持力を強め, 前端に位置する鰓耙はしなやかで小歯を欠き, 大きな餌をゆっくり摂取する際にも, 連続して呼吸が可能な構造である。餌生物の選別はサイズでなされる。鰓耙間隔は, 体長の0.17%以上のサイズの端脚類, 二枚貝類, 巻貝類であれば摂取できる距離である。餌料は味蕾と化学感覚細胞に依り化学的に選別される。杯細胞は粘液を分泌し餌料を包み, 摂餌に際して粘膜を傷つけぬようにすると同時に, 小型の餌生物をまとめる。N. neglectaはさまざまな食物発見, 選択メカニズムを持つ活発な捕食者として, 季節に応じて餌料の組成が変るという, 自然環境下においても生き残り得る。
著者
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Fanta Edith
Ufpr Departamento De Biologia Celular
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Rios Flavia
Universidade Federal do Parana, Departamento de Biologia Celular
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Fanta Edith
UFPR, Departamento de Biologia Celular
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Rios Flavia
Universidade Federal Do Parana Departamento De Biologia Celular
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