日本南極地域観測隊における越冬期間中の紫外線障害疾患の分析:南極における紫外線障害の成因の特徴と, 疾患発生の季節的及び年次的変化の検討
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概要
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JARE越冬隊における紫外線障害疾患について調査した。39次隊で発生した傷病総数199件のうち本疾患は8件(4%)で日光皮膚炎, 雪目, 口唇炎, 口角ヘルペスなどである。これらはすべて顔面周囲に限局していた。作業中の顔面への紫外線照射量を調べるため, 水平方向の紫外線量を測定した。夏の南極では, 太陽高度角が低いことと雪面反射により水平方向の紫外線量は赤道近辺に匹敵し, オゾンホール出現中の11月には赤道近辺以上となった。また日照時間と屋外作業時間が長くなることは被爆総線量をさらに増やす。これらは夏の南極における本疾患発生の特徴である。JARE歴代傷病総数4233件のうち紫外線関連疾患は127件(3.2%)であった。季節別では冬の極夜期はほとんどなく春夏秋に発生し11月が最多であった。経年変化では1990年代より増加傾向を示した。この増加は春期の発生が増加したことによる。これはオゾンホールの出現・増大年代, 出現季節と一致していた。
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