筋力トレーニングにおけるカルシウム摂取の効果
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概要
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筋肉の収縮がカルシウム(Ca^<2+>)濃度に依存することは, 多くの研究からよく知られている。すなわち, カルシウムは筋収縮に対するスイッチのon-off作用を持つ調節因子であり, 筋張力に影響をおよぼす重要な因子でもある。筋の量的増加と質的な発達は, トレーニングによって助長される。Dr. A.H. Steinhaus, Dr. T. Hettingerは等尺性筋力(Isometric strength)のトレーニングに関する効果的な刺激強度や頻度について報告している。本研究では, 等尺性筋力トレーニングに加えて, 体外からのカルシウム過剰摂取が筋力におよぼすトレーニング効果について若干の検討を加え, 新しい知見がえられた。カルシウムは, 市販のマナカルとワダカルシウムの2種類を使用した。水溶液での電導度測定値(イオン濃度)は次の通りであった。p^H 4.8(酸性)の場合, マナカル9236μs/cであり, ワダカルシウム415μs/cであった。p^H 9.1(アルカリ性)の場合, マナカル9214μs/cであり, ワダカルシウム542μs/cであった。6週間のカルシウム摂取によるトレーニング効果では, かなりの個人差がみられるが, 各被検者とも1週間前後で減少がみられ, その後増加する傾向が共通して観察された。さらに, カルシウム摂取群が筋力の増加に対するトレーニング効果を助長する傾向を示すことがわかった。今後さらに筋収縮とカルシウムの相関についての研究をすすめていきたい。本研究は「カルシウム代謝と加齢に関する国際ワークショップ」(1984. 12. 7 : 京王プラザホテル)と題する日米医学協力研究会において発表した一連の研究課題である。
- 東海大学の論文
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