<資料>清言小品『小窓幽記』解読 :「醒」の部から
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概要
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人々を警めるための格言が収録された『小窓幽記』は,陳継儒(1558〜1639)によって編纂され,出版当時,文人ならびに一般の人々に歓迎され好評を博した。『小窓幽記』は格言を綴る形式を用いた,晩明の「清言」作品である。「清言」という形式の著作は南北朝の『世説新語』から始まり,唐代と宋代には禅僧,儒者の語録作品が数多く存在する。明代の末期になると,性霊の表現を追求する文学風潮の影響で,独特かつ文学価値の高い「清言」作品が続出した。『小窓幽記』の他に,陳継儒の「清言」作品には『岩棲幽事』,『安得長者言』,『太平清話』,『狂夫之言』などがあり,同じ「清言」の作者に大きな影響を与えた。明代や清代の「清言」作品の中で一番広く知られているものは『菜根譚』であり,版本の違う日本語注訳を入手することは容易である。それに比べ,思想内容や文学形式の面から見てもそれに価値相当する『小窓幽記』の解釈は少ない。本稿は第一章「醒」の部から20条を選び,注訳を付ける。
- 2002-12-31
著者
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