戦後の家庭科教育の変遷 : 被服教育を中心として(第1報)
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
以上,学習指導要領に準拠して実施されできた家庭科教育の内容と社会の状態について検討した結果,この時期の被服教育の内容として次の点が指摘できる。(1)戦前のような技術中心の教科内容ではなくなって,広く衣生活全般について考えるようになっている。(2)雑誌の中では洋裁に関する記事が飛躍的に増加し急速に洋服時代に入ったことを示している。洋裁に関する知識と枝術の教育が必要とされたため,これまでの和裁中心の指導内容から洋裁と和裁のウエイトが約半々ぐらいにかわり,戦後の衣生活の洋装化に対応した教育が進められている。(3)戦後の物資の不足した時代に,少ない衣料をくりまわして衣服を作り,衣生活を支えていく必要から,「更生」に重点が置かれた製作の指導内容が詳細に列挙されている。(4)雑誌に服地や既成品の選択の記事が出はじめたことは,既成服時代への先がけとみることができる。昭和24年と昭和26年の学習指導要領にも,被服材料についての研究や既成品の選び方が,大きく取り上げられている。
- 1992-01-31
著者
関連論文
- 戦後の家庭科教育の変遷: 被服教育を中心として(第4報)
- 和服裁縫の教育史的研究(その2)大正・昭和の文部省教科書に見る長着の形
- 和服裁縫の教育史的研究(その1): 大正・昭和の文部省教科書に見る長着の仕立て方
- 戦後の家庭科教育の変遷 : 被服教育を中心として(第2報)
- 戦後の家庭科教育の変遷 : 被服教育を中心として(第1報)
- 戦後の家庭科教育の変遷 : 被服教育を中心として(第3報)