<論文>ドイツの諸教会と宗教多元主義
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概要
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論文ドイツにおける宗教生活は、グローバル化の中で、激しい変動にさらされている。国民の三分の一は、伝統的キリスト教世界とは異なる、種々の宗教的、非宗教的世界像や生活様式の中に生きている。このように多様な価値観が併存する事態の中で、相互に平和共存を目指し、協働の生を営むことは必須の課題である。宗教改革以来、ドイツ社会は複数の価値観を受け入れる状況の中で維持されてきた。アウクスブルク宗教和議とヴェストファーレン和約における教派併存の保証、またルター派教会における二統治説の枠組みは、現在の多元的状況に生じる問題を克服するための枠組みを提供している。神学に留まらず、社会的、実践的、法的次元などをも視野に入れつつ、その伝統の捉え直しが必要である。Religious life in Germany is undergoing a rapid change under the influence ofglobalization. One thirds of the German people now lives in a variety of religious /nonreligious world views and life styles different from those of traditional Christianity. With so many diverse value systems existing simultaneously, it is imperative to seek a peaceful coexistence and cooperation. Since the Reformation the German society has admitted and maintained itself in a pluralistic situation of value systems. The coexistence of differing faiths secured by the Religious Peace of Augsburg and by the Peace of Westphalia and Luther's doctrine of the two governments provide us with a framework that can be used to solve problems arising from the current pluralistic situation. We need to reevaluate this framework from a social, practical, legal, as well as theological view point.
著者
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バルト ハンス-マルチン
マールブルグ・フィリップ大学福音主義神学部
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水谷 誠
同志社大学神学部
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水谷 誠(訳)
同志社大学神学部
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バルト ハンス-マルチン[著]
マールブルグ・フィリップ大学福音主義神学部
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