オリゲネスの「意志」理解に関する一考察
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概要
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自由論文すべての人間には内的に「意志」が与えられ、それは様々な形で外的に表現される。その最も顕著な形態が「行為」ないしは「行動」であろう。われわれはしばしば自らの行動の主体として矛盾を抱え、パウロの言うように「自分の望むことは実行せず、かえって憎んでいることをする」1ものである。その点において、ギリシャ教父オリゲネスは、彼の生涯をして、彼の意志についての関心をわれわれに抱かせる。優れた知的探求者、篤い信仰者、熱心な教育者、そして真実を守ろうとするキリスト者であり神学者であった彼には、教育と信仰に熱心な両親という恵まれた幼少時の外的状況も存在したが、彼自身の生涯を貫いた主体的な姿勢は彼自身から生じたものにほかならない。われわれはここで、「意志」に対する彼の認識と、それが彼自身に及ぼした影響を、彼の著したテキストに基づいて考察する。We all have our own "will" inside and express it outward. It is "deed" or "act" that is most remarkable phenomenon. We have sometimes inconsistency when we deed, as Paulus says: I do not do what I want, but I do the very thing I hate. The life of a greek churchfather, Origen, interests us in his will. He had for certain fortunate circumstances as a boy, i.e. his parents who were eager in education and Christianity. But the autonomic life is based on his own will. This paper discuss Origen's understanding of "will" and its influence on him.
著者
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