アメリカ社会科教育における市民性 : - 公民教授と政治教授に関連する基本的な諸問題 -

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概要

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• アメリカにおいて今世紀の初期に，新しい教科として社会科が誕生し，それ以降，市民性(citizenship)は，一般に社会科の主要な目標として受け入れられてきた。その受容は，すでに社会科が誕生する以前の30年間に生じた歴史や社会科学を教授することに関する議論においても明らかであった。そして，今日でも，ほとんどの社会科教育者たちは，市民性の教育を社会科の主要な目標として受け入れている。しかし，同時に，市民性の教育が社会科だけの領域ではないことも留意しなければならない。他の教科の教師もまた，「良い市民」の育成に関与しているからである。さらに，そもそも，学校の全体的な環境が市民性の訓練の場であることを多くの教育者たちは，長い間認めてきた。だが，全体的な市民性の教育の中で，社会科の教科の独自性から，市民性の教育におけるその特別な役割と機能は明白である。それゆえ，「市民性」という概念に焦点化することにより，意思決定や価値という複雑な問題を社会科において論じる意義ある文脈が与えられる。本小論では，社会科における市民性の観点から公民教授と政治教授に関連した基本的な諸問題を考察する。In the United States, social studies which was a new school subject first saw the light early in this century. In general, citizenship has been accepted as the major goal of socail satudies since then. But this acceptance was evident in various discussions concerned with the teaching of history and social sciences which had occurred for thirty years before the birth of social studies. Today, most social studies educators accept citizenship education as the major goal of social studies. It must be paid attention to, however, that citizenship education is not the exclusive territory of social stiudeis. Teachers in other school subjects also are related to helping students to be "good citizens". Futhermore, many educators have long recognized that the whole school setting is a training ground for citizenship. With all their recognition, it is apparent that social studies has peculiar roles and functions for citizenship education in veiw of its originality. A focus on citizenship provides a meaningful context from which to discuss the complex issues such as decision-maiking and values in social studies. In this paper, we examine the fundamental issues in civics and government instruction from the viewpoint of citizenship in social sudies.

• 大阪教育大学の論文

著者

• 木下 百合子

  大阪教育大学教員養成課程社会科教育講座

• 中野 真志

  大阪市立大学大学院

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