アパレル専門店のMDと流通取引慣行 : 委託販売制度と派遣店員制度に限定して
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概要
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本稿の目的は、流通取引制度においてアパレル専門店が自社のMDi力を強めてきたプロセスを考察することにある。このプロセスを明らかにすることは、アパレル専門店が委託販売制度·派遣店員制度への依存関係を解消する利点を解明することができるからである。また、このような依存関係の解消を理解することは、アパレル専門店に限らず広く流通小売業一般にとってMDの強化を再考する一助となる。この本稿の目的を明らかにするために、過去20年間にわたる(株)横浜岡田屋のグループ企業で専門店経営を行っている(株)丸岡商事における取引制度の変遷に着目している。取引制度の変遷に着目することで、アパレル専門店が委託販売制度·派遣店員制度への依存関係を解消する意味を解明することができるからである。すなわち、時系列変化によって取引制度の変遷を考察することは、制度の変化に応じて専門店が享受するメリット·デメリットの要因を明らかにすることができる。このような分析を通して専門店が委託販売制度·派遣店員制度への依存を解消することは、商品取引においてアパレル専門店の弱点と考えられてきた(1)人材育成、(2)自社商品開発という2つの要因を強化していくことにつながり、MD力の回復につながることを指摘している。
- 横浜国立大学の論文
著者
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