Mathematicaを用いた量子力学的散乱状態のアニメーション
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概要
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コンピュータを用いた量子力学的散乱状態のシミュレーションの教材開発を行った。散乱状態は、運動系の取り扱いの難しさがあり、量子力学の中でも学生の理解度がなかなか得にくい分野である。数式処理とグラフィックス機能の優れたソフトウェアMathematicaを利用することにより、数学的解法にとらわれることなく、量子効果の本質を理解させるための教材開発を行った。粒子の衝突問題を,(1)時間に依存しない取り扱いと,(2)時間依存の取り扱いの、2つの立場でのシミュレーションを開発した。(1)では,時間に依存しないSchrodinger方程式を解析的に解き,波動関数や散乱係数の議論をさせるシミュレーションを作成した。この立場では、定常状態として扱うため,衝突現象の直感的なイメージとの関連が付きにくい。そこで(2)の立場では入射粒子に波束を用いて,時間依存のSchrodinger方程式を運動量固有関数で展開する方法で解き,波束が時間とともに散乱される様子をアニメーションで表示した。これらは散乱状態の直感的理解に非常に効果的であると期待される。2つのシミュレーションともパラメータを設定することで,入射粒子のエネルギー,ポテンシャルの型を変えることもできる。学生が自由に条件を変えながら、波動関数の振る舞いを色々な面から学習できるシステムとした。
- 2002-03-30
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