<原著>嫌気性土壌細菌によるデンプンからの水素生産
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概要
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土壌から嫌気性水素生産菌(SO5B株)を分離した。同定の結果Enterobacteriaceae科に属すると推定した。デンプンで前培養した菌を各基質とともに生育させると, グルコースよりもデンプンから多くの水素を生産した。ただし, グルコースで前培養した菌体ではグルコースからの高い水素生産量を示した。最適培養条件は培地の初期pH7.0,培養温度36℃, そして常時攪拌を必要とした。基質としてのデンプンは, 可溶性デンプン以外にバレイショデンプン, トウモロコシデンプン, 小麦デンプン等の加熱デンプン, そしてさらにこれらの生デンプンをもよく利用して生育し, 水素を発生した。ただし, 小麦デンプンからの水素発生収率はやや低い値を示した。嫌気性細菌による水素生産では酸素阻害が問題になるが, 本分離菌は比較的高い酸素耐性をもつていた。したがって, 本菌は食品工業等の有機廃水の処理ならびにエネルギー生産への利用に期待がもてる。
- 1999-03-31
著者
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