<原著>土壌から分離した嫌気性水素発生菌の性質とその応用
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概要
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水田土壌から高い水素発生能をもつ嫌気性細菌, NO-1c1株を分離した。同定試験の結果, Enterobacteriaceae科に属していた。本菌はグルコースをよく資化して多量の水素を発生し, 同時に有機酸を生成した。基質特異性は極めて広く, 他のヘキソース, ペントース, 糖アルコールも同様に資化し水素を発生した。本菌を光架橋性プレポリマー(PVA-SbQ)で固定化すると, 水素発生能は殆ど阻害されず, むしろ機能は長期間安定化した。そこで, この固定化菌体を用いて連続的水素発生を試みた。固定化菌体を反応槽に入れ, 1%グルコース溶液をポンプで連続的に送入し, pHをコントロールしながら反応させた。発生する水素は反応槽外に導き水上置換法で測定した。高い効率の水素発生を40時間続けることができた。なお, さらに長時間の連続的水素発生の条件を検討中である。
- 近畿大学の論文
- 1998-03-31
著者
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