<原著>大腸癌におけるTransforming growth factor-β_1によるルイスY発現の調節と血液凝固活性
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概要
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Cancer cell-derived blood coagulating activity 1(CCA-1)は癌細胞の産生するプロコアグラントの一つであり, 血液凝固第X因子を直接活性化する.CCA-1はプロテアーゼ画分のCCA-1pとcofactorであるCCA-1cの二つの画分より構成され, CCA-1cはLe^y糖脂質であることから, 大腸癌の凝固活性におけるルイスY糖鎖の役割と大腸癌細胞株のtransforming growth factor β_1(TGF-β_1)によるルイスY依存性の血液凝固活性調節を検討した.ルイスYを認識epitopeとするFS01抗体を用いて進行大腸癌133例のルイスY発現を免疫染色し, ルイスYの発現率と臨床病理学的因子を比較検討した.進行大腸癌15例の組織抽出液におけるルイスY依存性の血液凝固活性を測定し, 免疫染色のルイスY発現程度と比較検討した.大腸癌細胞株5株を用いてTGF-β_1の添加による細胞のルイスY依存性の血液凝固活性の変化を培養液のCa濃度を変えて検討した.大腸癌組織ではルイスYの発現が高率に認められたがルイスY発現程度と臨床病理学的因子や予後との関連は認められなかった.大腸癌組織におけるルイスYの発現程度とルイスY依存性の血液凝固活性は相関した.また, Caによって調節されたTGF-β_1の刺激により癌細胞のルイスY依存性の血液凝固活性は上昇する事が明らかになった.
- 近畿大学の論文
- 1999-12-25
著者
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