<原著>大腸癌におけるoncofetal fibronectinとgalectin-3発現
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概要
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大腸癌の治療を効果的に行うにはstage分類と異なる因子により, 予後不良群を特定し効果的な補助療法を行う必要がある.本研究では, 癌転移や癌進展に関連する接着因子であるoncofetal fibronectin(onfFN)とgalectin-3(GAL3)について免疫染色を行い, それぞれの発現と臨床病理学的因子および予後との関連について検討した.対象は, 当第1外科において切除された大腸癌115例である.OnfFNの発現程度は2群以上のリンパ節転移(p=0.0004)とmp以上の壁深達度(p=0.0179)において有意差が認められ, 術後8年生存率でも強陽性群で有意に低下が認められた(p<0.01).GAL3の発現程度も2群以上のリンパ節転移陽性例で有意に高く(p=0.0197), 8年生存率でも強陽性群は陰性群と比較し有意に低率(p<0.001)であった.しかし, OnfFNとGAL3の発現に有意な相関関係は認められなかった.また, onfFNとGAL3の両者が共に強陽性を示す症例では, onfFNもしくはGAL3単独で検討した群と比較しても, 8年生存率がさらに不良であった.両者の発現程度を調べることで, 予後不良群を特定することが可能であり, さらに組み合わせることにより, より一層悪性度の高い症例を抽出できると考えられる.以上より, onfFNおよびGAL3の大腸癌組織における発現は予後因子として有用であることが示唆された.
- 近畿大学の論文
- 2000-12-25
著者
-
中嶋 章浩
近畿大学医学部第1外科学教室
-
中村 正人
市立貝塚病院麻酔科
-
中村 正人
近畿大学医学部第1外科学教室
-
犬房 春彦
近畿大学医学部第1外科学教室
-
足立 俊之
近畿大学医学部第1外科学教室
-
足立 俊之
鳥潟病院外科
-
中嶋 章浩
近畿大学第一外科
-
犬房 春彦
近畿大学外科
-
犬房 春彦
近畿大学医学部第一外科
-
足立 俊之
近畿大学医学部第1外科
-
犬房 春彦
近畿大学医学部第1外科
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