<原著>シリコンチューブおよびコラーゲン膜を用いた実験的神経再支配時の筋線維と筋内神経の長期経時的形態計測的研究
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概要
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坐骨神経切断後の長期間にわたる神経再支配の過程を明らかにするために, ヒラメ筋及び長指伸筋の変化や両筋の筋内神経に関して形態学的に経時的に, 本研究がなされた.これは坐骨神経断端間に空管移植したシリコンチューブ処置群とコラーゲンフィルム処置群の神経再支配の相異にも注目して行われた80匹の成熟ラットが用いられ, 術後1,2,3,4,6,8,12,16,24,36,48,60週に筋肉が採取され, 湿重量及び光顕的にH&E, elastica Van Gieson, PAS, Gomori Trichrome, ATP-ase, や他の酵素組織化学的染色によって観察され, また同時に形態計測がなされた.アセチルコリンエステラーゼ-鍍銀染色にもとづいて, 筋内神経終末や神経筋接合部が観察された.結果は下記の如くである.1.神経再支配は術後6週に確認された.2.正常ではタイプ1優位のヒラメ筋では, タイプ2優位の長指伸筋よりも脱神経萎縮からの回復がより遅いことが示された.3.シリコンチューブ処置群の回復はコラーゲンフィルム処置群に比べより遅かった.4.筋線維の萎縮について"Atrophic Index"を計算したことで2c線維の占有程度や神経再支配の程度を類推し得た."Enclosed Fiber Score"の計算も有用であった.5.神経再支配期に大群性萎縮を呈した処置群には二次的な筋原性の変化も認められた.6.シリコンチューブ処置群とコラーゲンフィルム処置群とも神経筋接合部の所見は類似し大きな相異はなかった.
- 近畿大学の論文
- 1996-06-25
著者
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