タケノコの煮汁に含まれる水溶性サイトカイニンについて(B. 生活科学)
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概要
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サイトカイニン活性をもつ多くのプリン誘導体は, 人間の細胞培養において抗腫瘍作用など重要な生理作用を持っていることが知られている。一方, このような物質は種々の食品材料植物に, サイトカイニンあるいはtRNAの微量塩基として含まれていることが報告されている。本研究では, たけのこの煮汁に含まれているサイトカイニンについて, n-ブタノール分画, イオン交換樹脂カラム, セファデクスカラムを用いて分画し, 植物培養細胞の増殖を生物検定として調べた。その結果, たけのこの煮汁には数種のサイトカイニンが含まれていることがわかった。そのうちの水溶性サイトカイニンを, さらにペーパークロマトグラフィー, バリウム沈殿, 酵素分解などによって調べた結果, たけのこの煮汁に含まれている水溶性サイトカイニンはゼアチンのリボチドであると考えられる。煮汁には約20μMのゼアチンリボチドに匹敵する活性が含まれていることがわかった。
- 京都府立大学の論文
- 1986-11-15
著者
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松原 聰
Laboratory Of Applied Biology Kyoto Prefectural University
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松原 聰
Laboratory of Applied Biology, Kyoto Prefectual University
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