ササゲのカルス培養における細胞増殖および分化の植物ホルモンによる調節(A. 理学)
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概要
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培養したササゲ(Vigna sinensis Endl.)カルスの生長はオーキシン, サイトカイニンおよびニコチン酸によって促進される。2,4,5-T, 2,4-DおよびNAAのような活性の強いオーキシンは低濃度(0.1または1μM)で細胞増殖を強く促進するが, 同時に発根を抑制する。高濃度(22.1μM)の2,4-Dではくずれやすい組織を生じるが, 組織は吸水して膨潤した遊離細胞で構成されている。カイネチンの添加は細胞の膨潤や遊離を抑制する。1∿40μMのカイネチンは細胞の分化を誘起し, 木部要素に分化した細胞を生じる。10μM以上では発根を抑制し, 40μMのカイネチンは, 2,4-Dの濃度が低いと木部要素の形成をも抑制する。このように, 細胞や器官の分化はオーキシンとサイトカイニンの濃度によって調節されている。ニコチン酸は細胞の性状や分化にはまったく影響せずに, 細胞の増殖のみを促進する。
- 京都府立大学の論文
- 1983-11-20
著者
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松原 聰
Laboratory Of Applied Biology Kyoto Prefectural University
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松原 聰
Laboratory of Applied Biology, Kyoto Prefectual University
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