ササゲ (Vigna sinensis) の組織培養におけるカルス形成, 継代培養および馴化について(A. 理学)
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概要
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ササゲ(Vigna sinensis Endl.)組織培養のカルス形成, 継代培養, 馴化について調べた。子葉, 胚軸, 根の切片をIAAか2,4-Dを含むLinsmaier-Skoog培地で培養するとカルスを形成した。カルス形成はIAAより2,4-Dの方が強い活性を示した。子葉の切片は胚軸や根の切片より高濃度のオーキシンを必要とした。カイネチンおよびニコチン酸はカルス形成に大きな効果を示さなかった。酵母抽出物はオーキシンおよびカイネチンと共に使用すると, 旺盛なカルス形成をひこおこした。継代培養では, 2,4-Dを含む培地では黄色の柔らかいカルス組織を生じ, 発根は見られなかった。一方。オーキシンとしてIAAを含む培地では組織は発根し褐色を呈した。多数の分化した細胞を含むためと考えられる。カイネチンは組織の生長を促進し, さらに組織の性状に影響した。低濃度のカイネチンでは柔らかい組織を生じたが, 高濃度のカイネチンは硬い組織を生じた。逆に高濃度のオーキシンは柔らかい組織を生じた。オーキシンおよびサイトカイニンの量はカルス組織の細胞の分化の程度を支配していることを示すものと考えられる。ニコチン酸および酵母抽出物はカルス組織の生成を著しく促進するが, 組織の性状に影響しなかった。2,4-Dおよびカイネチン, ニコチン酸, 酵母抽出物を選択的に加えた培地で15回以上継代培養したカルス組織から, これらの生長因子に対する要求性の異なったカルス組織が少なくとも3種得られた。
- 京都府立大学の論文
- 1981-11-20
著者
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松原 聰
Laboratory Of Applied Biology Kyoto Prefectural University
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松原 聰
Laboratory of Applied Biology, Kyoto Prefectual University
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